循環器病予防部門 CIRCS研究報告
<報告>職域男性における乳製品の摂取と高血圧発症の関係
塩分の摂りすぎやアルコール摂取が血圧上昇に関係していることは有名ですが、最近では乳製品の摂取が血圧の上昇を抑えることが示されてきました。
そこで、大阪の会社に勤めている男性を対象に、乳製品を摂る習慣の変化が高血圧のなりやすさに関係しているかを調べました。
図1は健康診断のときに聞きとった「乳製品を毎日摂りますか?」という質問に対して、初回健診時と最終健診時の両方で「はい」と答えた人(図1 横軸「はい/はい」)とそれ以外の回答をした人の高血圧発症リスク(高血圧にどれだけなりやすいか)を比べて図にしたものです。
乳製品の摂り方が少なくなった人(図1 横軸「はい/いいえ」)と乳製品の摂り方が継続的に少なかった人(図1 横軸「いいえ/いいえ」)は、高血圧になる確率がそれぞれ43%、39%高いことがわかりました。
この研究では、乳製品以外にも、たんぱく質の豊富な食品(お肉、卵)の食べ方が少なくなると、高血圧になりやすくなる可能性があるという結果も得られました(図略)。
なお、それぞれの高血圧のなりやすさを算出する際には、年齢や体格(Body Mass Index)、飲酒習慣、喫煙習慣、他の食習慣の影響について、統計手法により考慮しました。
この結果は、2013年にHypertension Researchという日本高血圧学会の発行している医学専門雑誌に公表されました。