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循環器病予防部門 CIRCS研究報告

<報告>スポット尿中ナトリウム濃度とその後の血圧変化に
ついて

 塩分の摂り過ぎは血圧上昇につながると考えられていますが、普通に暮らしている人を対象として、その関係を詳しく調べた研究はほとんどありません。

 そこで、CIRCS研究に参加している茨城県の地域住民のうち、血圧値が正常だった方を対象に、塩分摂取の指標となるスポット尿中のナトリウム濃度が、その後の血圧値の変化と関係しているかを調べました。

 スポット尿とは、健診時に採取された尿のことです。


 図1は健康診断のときに測定したスポット尿中のナトリウム濃度ごとに対象者を4つのグループに分け、その後、約5年後の収縮期血圧値の変化量の平均値を比べて図にしたものです。

 スポット尿中ナトリウム濃度が最も薄いグループに比べ、最も濃いグループでは収縮期血圧値の上昇幅が大きくなることがわかりました。



 この研究では、拡張期血圧値についても調べ、こちらについてもスポット尿中ナトリウム濃度が最も薄いグループに比べて、最も濃いグループでは拡張期血圧値の上昇幅が大きくなる傾向がみられました(図略)。


 この研究により、正常な血圧値の方であっても、塩分の摂り過ぎがあるとその後の血圧値の上昇幅が大きくなる可能性が示されました。

 高血圧を予防するためにも、血圧値が正常なうちから、塩分の摂り過ぎに気を付けることが望ましいといえます。


 この結果は2016年にBMC Cardiovascular Disorders誌という医学専門雑誌に公表されました。


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