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循環器病予防部門 循環器病・生活習慣病予防への取り組み

健康状態の実態と動向の調査、研究

1-3. 循環器疾患の危険因子の検討

1-3-1 地域住民の循環器疾患発症の危険因子

八尾市南高安地区住民の循環器疾患調査より、最近の脳卒中および虚血性心疾患の発生者の発生前の健診所見を検討した結果、脳卒中については発生前に高血圧を有する者の割合が最も高く(図1)、虚血性心疾患では喫煙者の割合が最も高かった(図2)。メタボリックシンドロームについては、脳心ともに発生前に合併する者は1~2割と比較的少なかった。

図1. 脳卒中発生者が保有していた危険因子の割合
(八尾市南高安地区、発生前直近5年以内の健診結果より)

図:脳卒中発生者が保有していた危険因子の割合(八尾市南高安地区、発生前直近5年以内の健診結果より)

  • ※1 高尿酸血症:尿酸≧7.0mg/dl
  • ※2 メタボリックシンドローム:肥満+脂質異常症(高TG血症or低HDLC血症)高血圧、糖尿病の危険因子2個以上

(山野、他 日本公衛誌54[特別付録]418)

図2. 虚血性心疾患発生者が保有していた危険因子の割合
(八尾市南高安地区、発生前直近5年以内の健診結果より)

図:虚血性心疾患発生者が保有していた危険因子の割合(八尾市南高安地区、発生前直近5年以内の健診結果より)

(山野、他 日本公衛誌54[特別付録]418)

1-3-2 脳卒中入院患者の病型の割合と背景要因の検討

八尾市における調査では、脳梗塞の割合が最も大きく、脳梗塞の割合は60歳代、70歳以上と高齢になるほど大きくなった。40~59歳では、脳出血とくも膜下出血を合わせた出血性脳卒中が脳梗塞とほぼ等しい割合を占めた。脳梗塞を病型別に分類すると、いずれの年齢層でも、高血圧との関連の強い穿通枝系梗塞の割合が最も大きかった。また、高齢になるほど、皮質枝系梗塞(塞栓型)の割合が大きくなった。

東大阪市の脳卒中の病型割合は八尾市とほぼ同じ傾向であったが、40~59歳男では、脳出血とくも膜下出血を合わせた出血性脳卒中の割合が55%と過半数を占め、特に脳出血の割合はいずれの年齢層でも、東大阪市は八尾市よりも脳出血の割合が大きい傾向を認めた。

壮年男性の脳出血の関連要因としては、未治療高血圧、低コレステロール血症、大量飲酒、多量喫煙の割合が大きいことが明らかとなった(表1)。また、脳出血例の職業は、自営業または作業系労務者が大部分を占めた(表2)。

表1. 脳出血の関連要因(%)
高血圧既往 服薬中 8
非服薬 54
既往不明 25
糖尿病既往 21
心電図ST-T異常
(4-1~3and/or5-1~3)
58
肝機能異常
(GOT≧50and/orGPT≧50)
26
大量飲酒 3合以上/日 44
2合/日 30
総コレステロール値区分 179mg/dl以下 45
180~219mg/dl 15
220mg/dl以上or服薬中 40
BMI区分 20.0kg/㎡未満 28
20~24.9kg/㎡ 44
25.0kg/㎡以上 28
多量喫煙 30本以上/日 35
20本/日 35
表2. 脳出血例の職業(W病院、男40-59歳、東大阪市民、n=24)
  1. 金型加工
  2. 土木建築
  3. 建築業
  4. クレーン操縦者
  5. タクシー運転手
  6. タクシー運転手
  7. 電気屋
  8. 量販店店員
  9. 会社員
  10. 事務系
  1. 自営 印刷
  2. 自営 鉄工業
  3. 自営 飲食店
  4. 自営
  5. 自営
  6. 芸人
  7. マンション管理人
  8. アルバイト
  1. 無職
  2. 無職
  3. 無職
  4. 無職
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  6. 不明

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