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人間ドック・がん検診

所外健診

当センターでは、府民の健康状態や生活習慣の動向や疾病罹患の要因を明らかにするために、長期間、高い検査精度のもとで、地域住民と職域勤務者に対する健診を行っています。地域は八尾市M地区住民約2000人、職域は、所外、所内合わせて約20事業所の勤務者約4000人を対象としています。

我々の所外健診の特徴としては、

  1. 地域住民の健診は、八尾市M地区の住民が、加入する医療保険者の種類にかかわらず受診できる仕組みを作っています。当地区においては、前身の大阪府立成人病センター集検一部、続く大阪府立健康科学センター時代より、自治会や婦人会などが中心となって成人病予防会を結成し、当センターや八尾市、医師会、保健所、大学などとともに、健診をはじめ各種健康づくり活動を行ってきました。健診内容は、法定項目や従来の検査項目のみでなく、家庭血圧検査、睡眠検査、動脈硬化検査など病気の予防に役立つ新しい検査を随時行っています。
  2. 職域の健診は、会社の定期健康診断として実施されています。このため、受診率が高く、比較的若い年代の実態を正確にとらえることができます。
  3. 地域、職域ともに、当センターのスタッフ自らが現場に出向いて健診に従事し、健診方法や結果判定についての精度管理を継続して行うとともに、現地調査や保健指導を行って地域や職域の実情に精通しているため、健診所見の背景について十分に考察することができます。

これまでの健診結果から、いくつかのことが明らかになってきました。

1. 最近10年間(2001~2010年)の身体所見や生活習慣の動向が明らかとなりました。

「平成22・23年度年報の第4章第1節」を参照

2. 八尾市M地区で健診を受けている成人病予防会員では、脳卒中や虚血性心疾患の発症が抑えられていることがわかりました(図1)。

図1. 成人予防会員は非会員に比べ脳卒中発生率が低い
図1. 成人予防会員は非会員に比べ脳卒中発生率が低い

また、不幸にして発症しても健診をきちんと受診している人は重症度が低い可能性があることがわかりました(図2、3)。

図2. 脳卒中発症前5年以内の検診受診の有無と発症時の意識障害
図2. 脳卒中発症前5年以内の検診受診の有無と発症時の意識障害
図3. 脳卒中発症前5年以内の検診受診の有無と発症1年後の生活状況
図3. 脳卒中発症前5年以内の検診受診の有無と発症1年後の生活状況

3. 地域ぐるみで健診を行っている地区では、健診受診率が高く、高血圧者やメタボリックシンドロームの割合も少なく、また、医療費の負担が抑えられていることがわかりました。

八尾市M地区では、他地区よりも健診受診率が高く(+8.5%、図4)、高血圧(-8.8%、図5)やメタボリックシンドローム(-1.3%、図6)の割合が低いことがわかりました。医療費については、被保険者1人あたりの月平均の医療費を算出したところ、図7に示すように、40-74歳計でみると、医療費全体で、M地区の方が他地区よりも、被保険者一人あたり2,286円/月、地区全体で年間約1.4億円も低額でした。M地区と他地区との差は、40歳代、50歳代の年齢が若い区分でより大きく、その差は60歳代でも明らかでありましたが、70―74歳では、逆にM地区の方が他地区よりも高値でした。この理由としては、M地区では壮年層での疾病発生が抑えられた分、その発症が高齢にシフトしたことや、高齢になると予防できない部分での医療費が増えるためではないかと推察されます。

図4. 特定健診受診率の比較/男女計
(H22年度)
図4. 特定健診受診率の比較/男女計(H22年度)
図5. 高血圧者の割合の比較/男女計
(H22年度)
図5. 高血圧者の割合の比較/男女計(H22年度)
図6. メタボリックシンドローム者の割合の比較/男女計(H22年度)
図6. メタボリックシンドローム者の割合の比較/男女計(H22年度
図7. 被保険者1人あたり医療費の比較/男女計
(H23年1月,2月,6月審査分の平均値)
図7. 被保険者1人あたり医療費の比較/男女計(H23年1月,2月,6月審査分の平均値)

4. 家庭での血圧や心電図検査について

八尾市M地区の最近の健診では、オプション検査として、自分で簡単に測定できる装置を使って、家庭での血圧や心電図検査を行っています。その結果を、住民に配布した説明資料から転載します。

家庭での血圧や心電図検査説明資料

(出典:南高安地区成人病予防会 会報誌第76号)

このように、健診の現場だけでは把握できないような循環器の状態が明らかになりました。


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